20代で知っておきたいお金のこと
久々に読書ネタを。コレ読みました。
- 作者: 岡村聡
- 出版社/メーカー: 中経出版
- 発売日: 2011/06/01
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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なんでこんな本をを読んだのかというと、そうそう家を買っちゃって何かと物入りなので・・・
なーんていう表向きの理由以上に、ここ最近の世界/日本経済のまずさに危機感を感じたからです。
そのきっかけになったのは、ある時に外資系証券会社のマネージング・ディレクターだった方とお話する機会があって、色々と普段聞けないようなお話を聞きました。
日本も遠くない将来ギリシャになる。
ギリシャはみなさんご存知の通り、見事に財政破綻してひどい有様ですね。公務員の給料が3割カットとかで公務員のみんなはふざけんな〜!とばかりに暴動を起こしています。
こんなことが日本でも起こるなんて夢にも思わなかったのですが、割と最近はリアリティが増して来ていると。
ギリシャだって、ほんの数年前まではここまでひどくなるとはたぶん誰も思わなかったはず・・・(一部の知識人の方は警鐘は鳴らしていたでしょうが)。CDSスプレッドだって割と普通・・でもないけどちょっと高いかな?ぐらいでした。それがあれよあれよという間に数千bpってなんじゃらホイという感じです。
それでも主要な格付機関はまだギリシャはデフォルトしてない!って必死に言い張っていた(デフォルトと認定したら世にあふれるCDSやら債券とかが大変なことになってしまうから・・・)のですが、あるときあっさり認定しちゃいましたね。
ではなんでギリシャがこんな風になったのかというと、手っ取り早い話、ギリシャの人はまともに働いてなかったんですよ。労働者の4人に1人が公務員で、この人達がいただけない。高待遇受けるだけ受けてまともに働いてないんじゃ経済は右肩下がり。
一部のまじめに働いてる人たちから税金をむしりとっておいしい汁を吸い続ける。こんな国は破綻して当然だと。
まー、でも日本にこれがまんま当てはまるかというと、それはないでしょう。公務員の比率はそんなに多くないですからね。
日本って何がまずいの?
ではではなんで日本が遠くない将来ギリシャになるのか。
日本はとんでもない借金をしてるんですね。900兆円。
それでも日本の経済を回していけるのは、税収と債券発行によっています。
日本の歳出は毎年90兆ぐらいあるのに、借金を除く税金などの歳入はその半分にも満たないぐらいしかありません。そう、残りは国債を発行して資金調達してるんです。
で、この国債を買い支えているのは他でもない日本の主要銀行です。
で、銀行が国債を買うために必要となる資金はぼくらの預貯金や住宅ローンの金利や、もろもろの金融資産から得られる手数料などです。
つまり、ぼくらが持っている金融資産等々がまだトータルすると900兆円を超えていて、借金に耐えられるぐらいのチカラがあるからなんとかなっているのです。
ということは、借金の方が大きくなりはじめたら破綻への序曲の聞こえ始めてくるのです。
破綻したらどうなるの?
もうね、破綻ギリギリぐらいになったらもう日本経済はメチャメチャです。
銀行は国債を買い支えないと国が破綻してしまうので、買い支えるための資金確保のために最悪は預金封鎖とかしちゃうかもしれません。破綻するよりマシですからね。
でもなんでそこまでして破綻を回避するのかと行ったら、世界経済へ与える影響も大きいですけど、破綻したらIMFの管理下に置かれるのです。IMFには世界各国から救済金を募っており、確か日本も世界トップクラスの拠出をしているはずです。
が、IMFに一番拠出しているのはアメリカで、その拠出額の多さからIMFで唯一拒否権を持っている国なんです。つまりIMFはアメリカの息のかかった組織なんですよ。
最近だと、アジア通貨危機で韓国がIMFの管理下に置かれましたね。ここでも色々とえげつないことをされてみたいです。要は植民地支配されるようなもんです。
そうなったらどうなるかもわかりゃーしません。日本にいちゃあね。
日本にはいてはいけない?
日本には経済面以外にも構造的な問題があるんです。それは人材面。
日本で育った優秀な人材はどんどん世界へ出ていってしまいます。でも他の国の優秀な人材は日本へは流れて来ません。一方的に出ていくのみ。そうしたら日本は優秀じゃない人の溜まり場みたいになってしまいますね。
ではなぜ優秀な人材は世界へ飛び出していってしまうのでしょう。
これはやや局所的な話かもしれませんが、やっぱり外資の企業に勤めた方が明らかに報酬がいいですからね。安定はないかもしれませんが、十分な実力を持った人ならやっていける。
むしろ、今の日本の企業にははっきり言って大したアップサイドは望めません。普通の企業にどんなに勤めても年収はせいぜい600〜700万ぐらいが頭打ち。大きな会社でも何十年働けば給料上がるんだよ状態です。
実はこれは日本の税制的な問題もあって、所得税とか社会保険とか抜かれて残った手取りは稼ぎがいい人ほど残る比率は少なくなる。累進課税のせいですが、やっぱりなんだかおかしい気がします。他の人より優秀なアウトプット出した人から金をむしりとるのはなんともいただけない。
なんでいただけないかというと、日本のすぐ近くにある香港はこの比率がぜんぜん違う。日本だとMAX45%近く持っていかれますが、香港は15%ぐらいしか持っていかれない。となると、あえて日本でやらなくていいような仕事とかを香港に移すだけで、手取りを変えずに移動したら会社が従業員に支払う給与が減ります。会社にとって一番大きなコストは固定費である人件費ですから、これは大きい。
現に、外資系の金融機関なんかでもアジアの代表はこれまでずっと東京だったのがどんどん香港に移っている。日本にいてもいいことないですからね。
そうなんです。日本にいてもいいことがないからどんどん優秀な人は世界へ飛び出していってしまう。で、日本に来てもいいことないから他から優秀な人も入ってこない。
このまま優秀な人が居なくなり続けたら、日本はどんどん働けない国になってしまうのです。重箱の隅をつつくのはいくらでもできますが、働けるのに働かずに保険でメシを食ったりするような、マジメに働いてる人から金をむしりとってマジメに働かない人へお金が流れていくこの流れがある限り日本は破綻へ突き進むしか無いのです。ギリシャがそうだったように。
じゃあどうすればいいの?
ではこれまでずっと日本で暮らしてきてこれからも日本にいるつもりなのに、どうすればいいのかという問題があります。
現在65歳以上の人とかが経験してきた高度経済成長の時のようなノリで暮らすことは当然できません。たぶん今40代ぐらいまでの人は年金も出ないでしょう。あれは税金だと思った方が賢明ですね。
日本にいて、今までと同じような暮らしを維持するためには、相当な覚悟とキャリアが必要になると思われます。
やはり社会人のターニングポイントは35歳で、これまでにどこに出ても活躍できるような実力を身に着けておくか。他所の会社から必要とされないような人材ではいつ会社が潰れて野垂れ死んでしまうかわかりません。
もう日本でも大きな会社が破綻するのなんて当たり前ですね。この会社にいれば安住だ、なんとのはどこにもないのです。
ではなぜ35歳なのか。これには色々と個人的な事情にもよりけりですが、やはりこれぐらいの年齢を過ぎるとみんな結婚して子どももできて、育児や家のことに時間取られるわ、教育費にお金かかるわで、自己投資ができなくなってきます。
自己投資には時間とお金が必須です。これを自由に使えるうちに一流になるまでになっておかないと、その先はビジネスの世界で成長するなんてことは相当に難しいことになります。
30代、40代と時間を経る毎にどんどん時間が短く感じられるのは、自分のこと以外の色々なしがらみの中で生きており、そのしがらみがどんどん増えていくからです。
なので20代のうちにやりきれることはやっておきなさい、とありがたいお言葉を頂きました。
最後に
こういうもろもろのお話を聞いて、いよいよ自分もキャリアを作っていく上でターニングポイントに立たされているなと感じたわけです。それと将来のお金のこと。
今の日本経済は本当に予断を許さない状況になってきており、ギリシャの混乱も対岸の火事では済まされません。こんな時だからこそ生き抜いていくチカラを身に着けていかなければならないなぁと思ったのでした。
おまけ
日本人は日本に依存しすぎだ、と言われました。
なんのことかと思ったら、例えば競馬で当たるか当たらないかわからないような馬に全財産投じる人はいないだろうと。いくつかパターンわけして分散投資するよね、と。
でも日本人は、日本語しか話せない、日本に不動産を持っている、日本の銀行にお金を預けている、日本の会社で働いている、日本でしか通用しないキャリアしか築けていない、、、つまり日本を一点買いしているようなもんなんです。
今はまだ破綻してないからいいですが、破綻した瞬間全てパーです。紙くずとなった馬券と一緒。
金融資産を将来のために積み上げていくのなら、海外に分散投資をすることも考えておかないと大変なことになるかもよ、とのことでした。ひいて言えば海外でも活躍できる実力を身に着けておかないとなんですね。
なので、英語の勉強します(笑)
こんなところで今日のお話はおしまいです。
※ここに書いた内容は超々仮説だったり、思い込みだったり、事実と異なることもあるかもしれませんので、鵜呑みにしないでください(^_^;)あくまで自分メモなので、読んだ方はご自身の責任で解釈してくださいね。当方では責任は負いませんw